土地所有権の問題―前半

土地所有権の問題とは、山下議員(未来の風)が黒瀬橋下の市有地を不法占有していると訴える匿名の手紙が2022年8月下旬にある市会議員に届けられ、これを発端に議員全体会議が開催されて山下議員が追及され議長から厳重注意を受けた問題です。この一連の過程は、市議会および浅原議長(志政会)の越権・不法行為による山下議員に対する抑圧であり、さらには浅原議長による議会の私物化であると考えられ、以下でそれらの不当性を検証します。

問題の経緯
2022年8月下旬山下議員が市有地を不法占有しているという匿名の郵便が高橋市議(志政会)宅に届けられ、高橋議員は浅原議長に報告。
8月29日議会事務局が山下議員による不法占有として市道路管理課に報告。
9月5日長田副議長(公明党)が山下議員宅を訪問し現場の写真を撮影。
9月9日市道路管理課が山下宅を訪問し調査。黒瀬橋橋梁下市有地の私物を撤去するよう指導。
9月12日山下議員が議長室に呼ばれ説明を求められる。
9月13日市道路管理課が山下議員に行政指導。
9月20日市道路管理課が現場の状況確認し、山下議員が駐車場として貸していた別の土地が市有地として登記されていることを新たに確認。
山下議員夫妻が議長室に呼ばれ質問を受ける。
9月30日市道路管理課が山下宅を訪問し、私物を置いていた部分の土地に関する行政指導が履行されていることを確認。
10月11日議長招集による議員全体会議が開催され、山下議員および市の関連担当者が議員から説明を求められる。山下議員は最後に議長から厳重注意を受ける。
10月31日関連する土地売買契約書1通と、山下議員の父親に対する市からの問題の土地(駐車場として使用されていた部分)の払下げ確約書が開示された。
12月14日山下議員に対し、市が駐車場料金10年分のおよそ200万円の不当利得返還請求。

山下議員による説明

  • 30年以上前の黒瀬橋の拡幅工事にあたり、山下議員の父親の植松氏が所有していた土地の一部を市が用地買収した。
  • 市の名義で登記されていた土地は山下家の敷地に挟まれる形で存在しており、また用地買収に併せて山下家の敷地と一体で市が舗装工事などをしていたため、当該市有地は市から払い下げられ山下家の敷地になっていると認識していた。
  • 山下議員は自宅の敷地を植松氏の妻(山下議員の母)から相続したため、問題の土地の払下げを含む用地買収の詳細を認識しておらず、その土地は自分の所有であるとの認識で駐車場などとして使用していた。
  • この用地買収に併せて、市は植松氏に対して問題の土地の払下げ確約書を提示していたが、山下議員はこの確約書の存在をそれが開示されるまで認識していなかった。

黒瀬橋橋梁下の市有地は山下議員の土地(駐車場)と隣接する土地ですが、そこに私物を置いていたり止めていた車がはみ出していたことは、確かに山下議員側に落ち度があったと言えます。ただ、この土地は橋梁構造物脇の狭い土地であり道路や公共利用などに使用されていたわけではなく、私物が撤去されればそれで済む問題であり、さらには山下議員個人の問題であって議会が取り上げるべき問題ではありません。

駐車場として使用していた問題の土地が市有地として登記されていることは事実ですが、山下議員の説明にあるように、用地買収の経緯やその土地の位置の不自然さ・市有地として存在価値がないことを考えると、その土地が払い下げられないままになっているのは非常に不自然です。従って、問題の土地の払下げが実行されなかったから登記上市有地になっているのではなく、払下げが実行されたにもかかわらず移転登記がされなかったことによる登記ミスである可能性が高いと考えられます。

山下議員は市からの不当利得返還請求には応じていませんでしたが、2023年9月になって山下議員の自宅からこの用地買収に関わる文書が数点発見されたことから山下議員の主張がより裏付けられる状況になっています。一方沼津市は不当利得返還請求により山下議員を提訴する準備を進め、市議会もそれを承認しました。

不当利得返還請求と用地買収の経緯および山下議員と沼津市のそれぞれの主張を以下のページで検証します。

議員全体会議の不当性および議長による議会の私物化  詳細説明

また、沼津市の道路管理課の対応にも、個人情報保護の観点から問題があると考えられます。

市道路管理課の対応の問題

議員全体会議においては、市道路管理課の担当者が、議長の要請により問題の駐車場敷地に関する山下議員の個人情報を開示しています。議長はもちろん議会にもこの問題に関する調査権はなく、また一般人も傍聴している法的根拠のない議員全体会議において、個人情報を開示することは個人情報保護違反であると考えられます。議長による開示請求には法的根拠がなく、またこの問題に関してそのような場で開示する必要性もなく、そうすることに公益性があるとも考えられません。従って、議員全体会議での市道路管理課の対応は個人情報保護に反する不適切なものであったと考えられます。